セミナーレポートVol.03: 「ケアマネジャー向け 仕事と介護・育児の両立とは」
- スマートケアマネ編集室

- 5月2日
- 読了時間: 4分
ケアマネジャーとして日々の業務に励む一方、家庭内介護や育児に頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会「紡ぐ会」会長の進(すすむ)氏とケアバンクシステムズの渋谷氏によるセミナーでの議論を基に、ケアマネジャーが直面している仕事と介護・育児の両立の課題や解決策についてご紹介いたします。

目次
介護や育児との両立方法について
仕事と介護・育児の両立が可能であることを訴え、具体的な情報を提供しました。特に「家族の役割」という観点から、2000年に導入された介護保険制度がいかに家庭内での介護を社会化したかに触れました。

独自アンケート調査結果から垣間見る傾向
独自アンケート調査結果を基に、介護職が一般企業と比較して高い離職リスクを抱えていることが示され、特に自分自身が介護を必要とする状況になった場合のストレスが指摘されました。また、介護のプロであるケアマネジャーであっても、仕事と家庭を両立することの難しさが強調され、「仕事か介護か」といった選択肢を考えるのではなく、自分自身の人生全体を見直す必要があると述べられました。

生活時間と使い方の整理が重要
進氏は、個々の生活や時間の使い方を見直し、何をやるべきか、何をやらなくてもよいのかを整理することで、両立の実現が可能であると強調しました。これにより、参加者が自分の役割を理解し、ストレスを軽減するための方法を見出せることが期待されました。

居宅介護支援事業所としてできること
続いて渋谷氏より、冒頭ケアマネジャーがどのように自由に働ける職業であるかを説明しました。

具体的には、業務のデジタル化が進む中で、専任のスタッフがサポートし、電話応対や書類の作成を代行することによって、ケアマネジャーがコア業務に集中できる環境を整備することが提案されました。また、業務を効率化するためにテクノロジーの導入も重要と言えます。

産業ケアマネについて
産業ケアマネは、企業で従業員が介護などの問題を抱えた際に、専門的な立場から助言を行う民間の資格者です。この職務は、職場環境の改善や、従業員が仕事を続けやすくするための助言や指導を提供します。産業ケアマネ資格は、一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会によって創設され、職場内の介護問題を解決するための重要な役割を果たしています。

産業ケアマネは1級から3級まであり、資格者数の内、974名が3級資格を取得しています。(2025.4.14現在)
進氏は、産業ケアマネが職場環境の改善に貢献することを強調し、今後の活動に期待を寄せました。

スマートケアマネとは
スマートケアマネは、はたらく時間と場所を選べる居宅介護支援事業所です。
スマートケアマネでは「働く場所」「働く時間」「働き方」の自由を提案し、柔軟な勤務スタイルを実現することを目的としています。

スマートケアマネの特徴
スマートケアマネの特徴として「専任スタッフの常駐」や「業務のデジタル化」「選択可能な働き方」「正当な対価と待遇」が強調され、ケアマネジャーが本業に専念できる環境の整備が進められています。

また、スマートケアマネがどのようにケアマネジャー業務の負担を軽減し、ストレスを減少させるかについて具体的な施策が挙げられました。


質疑応答に見る業界のニーズ
セミナーの質疑応答では、参加者からさまざまな質問が寄せられました。
理想的な働き方や仕事と介護・育児の両立の実現に向けての課題が、浮き彫りになりました。進氏や渋谷氏は、柔軟な働き方の実現や制度の活用についてアドバイスし、参加者同士の経験や知見が共有される有意義な場となりました。
まとめと展望
本セミナーを通じて、仕事と介護・育児の両立がいかに重要であり、実現可能であるかについて深い理解が得られました。特に、介護職は多くの課題を抱えている一方で、制度や環境の整備が進むことで、より良い生活の質が改善される可能性が示されました。
今後の展望として、AIやデジタルシステムのさらなる活用が期待されます。また、産業ケアマネやスマートケアマネの概念が広まることで、ケアマネジャーの新たなキャリアパスや働き方の選択肢が増えることが予想されます。
参加者同士のネットワーク形成が進むことで、情報共有の促進が期待され、今後も行われるセミナーやワークショップを通じて、より多くの知見や経験が蓄積されていくことでしょう。
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